有言実行!歴史に名を刻みたいという目標達成!女子選手初のSGタイトルホルダー遠藤エミ選手

女子レーサーの中でも人気と強さを兼ね備える遠藤エミ選手。
オールスターではフライング欠場してからの苦しい時期もあり、その後努力を続けました。 初の賞金女王に輝いたのは記憶に新しいところです。
さらにSGレースでは優出・優勝戦1号艇を勝ち取り、史上初のSG優勝の栄冠に輝きました。
今回は偉業を成し遂げた遠藤エミ選手について紹介します。
目次
遠藤エミ選手のプロフィール

- 登録番号:4502
- 生年月日:1988/2/19
- 身長:155cm
- 体重:46.0kg
- 血液型:A型
- 支部:滋賀
- 出身地:滋賀県
- 登録期:102期
- 級別:A1級
- 師匠:深井利寿
- 姉:遠藤ゆみ(元ボートレーサー)
主な戦績
- デビュー戦:2008年5月6日びわこ競艇場
- 初勝利:2008年9月びわこ競艇場(デビュー41走目)
- 初優勝:2012年11月25日(デビュー4年目)丸亀競艇場
- G1初勝利:2013年8月 第27回女子王座決定戦
- SG初勝利:2015年8月 第61回ボートレースメモリアル
- G1初優勝:2017年12月 第6回クイーンズクライマックス
その他主な戦績 G1
- 2021年8月:第35回レディースチャンピオン
G2
- 2016年11月:第19回チャレンジカップ
- 2017年11月:第20回チャレンジカップ
- 2019年11月:第22回チャレンジカップ
- 2021年11月:第24回チャレンジカップ
デビューからこれまでの記録
SGやG1などグレードの高いレースで男子のトップクラスの選手とも戦っている、女子レーサーの中で実力はトップクラスの遠藤エミ選手の成績です。
グレード | 勝率 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 | 優出 | 優勝 |
---|---|---|---|---|---|---|
SG | 6.31 | 12.5% | 24.6% | 38.1% | 0 | 0 |
G1 | 6.10 | 18.2% | 33.7% | 48.6% | 11 | 2 |
G2 | 7.07 | 24.6% | 43.2% | 60.9% | 6 | 4 |
G3 | 6.54 | 29.9% | 51.5% | 68.6% | 34 | 9 |
一般 | 6.37 | 29.3% | 49.0% | 65.8% | 77 | 21 |
総合 | 6.43 | 26.9% | 46.1% | 62.7% | 128 | 36 |
選手になったきっかけはお姉さんがボートレーサーだった!!
遠藤エミ選手は、高校時代はソフトボール部に所属しており、卒業後はアルバイトでベーカリーショップで働いていたそうです。
ベーカリーショップでアルバイトというと、品出しやレジ打ちなどが思い浮かびますよね。
将来はパン職人になることも考えていた遠藤エミ選手は、珍しい焼成担当だったそうです。
そんな中で、全然違うボートレーサーになろうと思ったきっかけはなんだったんでしょう。
その答えがこちらの方。

赤いドラえもんのヘルメットがトレードマークの油浦ゆみ(遠藤ゆみ)元選手です。
この油浦選手は、遠藤エミ選手の実の姉で、一緒にボートレーサーになろうと誘ったのがきっかけでした。
地元のびわこ競艇場にレースを見に行った遠藤エミ選手は、音とスピードに感動して、ボートレーサーになりたいと思ったそうです。
誘ったのは姉の油浦ゆみさんでしたが、先に合格したのは、2回目で合格した遠藤エミ選手で、リーグ戦勝率は「3.92」という成績でした。
無事に102期生としてデビューした遠藤エミ選手の同期には
- 前田将太選手
- 上野真之介選手
- 山田康二選手
といった大活躍をしている選手の他、
- 樋口由加里選手
- 滝川真由子選手
といった人気の女子選手がいます。
この中でも、遠藤エミ選手は獲得賞金が一番多いので、活躍していることがよくわかると思います。
デビューから4年で初優勝!!初勝利から優勝までの道のりは?
2008年5月6日にびわこ競艇場で開催された、第30回さざなみ賞の1R6号艇でデビューした遠藤エミ選手は、1期上の守屋美穂選手と同じレースで、前付けもある中、大外からスタートは0.32で無事に完走しています。
初勝利は2008年9月24日、びわこ競艇場開催の日刊ゲンダイカップ最終日、1Rの男女混合戦。
デビューから41走目、5号艇6コースから抜きでの勝利でした。
デビュー節(2008年後期)は3勝をあげ、勝率は2.40という成績でした。
- 2008年 勝率2.62 1着3回
- 2009年 勝率3.64 1着6回
- 2010年 勝率4.52 1着17回
- 2011年 勝率4.87 1着27回
- 2012年 勝率5.60 1着44回
毎年着実に成績を残し、A級昇格が見えた2012年11月。
鳴門競艇場で開催された男女W優勝戦で、初優勝のチャンスがきます。
準優勝戦を2着に残した遠藤エミ選手は、3号艇で優勝戦に挑みます。
優勝戦のメンバーは
- 1号艇 山川美由紀(A1)
- 2号艇 寺田千恵 (A1)
- 3号艇 遠藤エミ (B1)
- 4号艇 西村めぐみ(A2)
- 5号艇 新田芳美 (A2)
- 6号艇 平山智加 (A1)
遠藤エミ選手以外はA級という強敵を相手に初優勝をかけて戦います。
スタートは0.16、スタート順は3番手となりましたが、山川・寺田という女子トップレーサーを捲り一閃、見事初優勝を飾ります。
ただ1人のB級ながら、2連単3-1は7番人気となっており、すでに期待されていたのがわかりますね。
- 2013年 勝率6.42 1着65回
- 2014年 勝率6.38 1着60回
- 2015年 勝率7.22 1着104回
- 2016年 勝率7.32 1着103回
- 2017年 勝率7.09 1着97回
- 2018年 勝率7.13 1着92回
- 2019年 勝率7.18 1着81回
- 2020年 勝率6.86 1着50回
- 2021年 勝率7.50 1着104回
2015年以降はA1級を継続しているだけでなく、SGなどのグレードの高いレースに出場していながら、トップレーサーといえる勝率7点台をマークしているのは素晴らしいですね。
G1初優勝はオール1着の完全優勝!!

着実に実力をつけて、SGやG1といったレースでも勝利を重ねてきた遠藤エミ選手。
念願のG1初優勝は2017年、賞金女王を決めるクイーンズクライマックスという大舞台で達成します。
2017年はG2・G3を共に1回、一般戦は2回の優勝があり、SGオーシャンカップでは準優勝戦の2号艇で進出する活躍で、獲得賞金は3,880万のランキング2位でG1初制覇に挑みます。
(1位は小野生奈選手3,920万) トライアル初日、1号艇から押し切って白星発進。
2日目も好枠1号艇から逃げて2勝目。
3日目は2コースから差して、無傷の3連勝でトライアルトップ通過となります。
迎えた優勝戦のメンバーは
- 1号艇:遠藤エミ
- 2号艇:小野生奈
- 3号艇:長嶋万記
- 4号艇:平高奈菜
- 5号艇:寺田千恵
- 6号艇:海野ゆかり
スタートは0.12とトップスタートを決めますが、2号艇小野生奈選手がスタート0.31と遅れ、3号艇長嶋万記選手の捲り差しが入ります。
バックストレッチで舳先がかかりますが、トライアルトップの機力から伸び返して2マークで振り切って先マイ、その後長嶋万記選手と寺田千恵選手の追走を抑えて見事優勝します。
遠藤エミ選手のG1初優勝は、クイーンズクライマックス史上初のパーフェクトVという偉業を成し遂げて、自身初の賞金女王に輝きました。
オールスター1位出場も準優勝戦で痛恨のフライング

前年は賞金女王に輝き、G2オールスター投票トップとなった遠藤エミ選手。
レーサーとして、グレードの高いレースで優勝する目標もありますが、オールスターはファンに選ばれないと出場できない特別なレースで、そこで1位というのは、喜びと共に期待に応えたいというプレッシャーもあるそうです。
選ばれた52名の女子レーサーが集結したびわこレディースオールスター。
遠藤エミ選手はエンジンの抽選で34号機のエースモーターを引き当て、運も味方につけます。
予選を順調に勝ち進み、迎えた準優勝戦は1号艇の絶好枠です。
- 1号艇:遠藤エミ
- 2号艇:平高奈菜
- 3号艇:大山千広
- 4号艇:藤崎小百合
- 5号艇:長嶋万記
- 6号艇:小野生奈
優勝戦といえるくらいの豪華メンバーでの戦いとなった準優勝戦で、内側3艇が気合いの入ったスタートを見せます。
その結果、人気の内側3艇がフライング(遠藤エミ選手はF0.03)という波乱となりました。
このフライングによって、遠藤エミ選手の目標の1つでもあるSGグランドチャンピオンへの道がなくなってしまい、とても悔しかったとインタビューに答えていました。
念願のレディースチャンピオン制覇は節間ノーハンマー!?

遠藤エミ選手が一番獲りたかったタイトルが、このPG1レディースチャンピオン。
抽選で引き当てた1号機は、前節萩原秀人選手が優出したモーターで、記者に「遠藤エミか小野生奈が乗ったら優勝するよ」と言っていたくらいのモーターだったそうです。
前検では、足合わせの時に半分以上伸びてたので、遠藤エミ選手も「優勝できるかも」と感じていたそうです。
滋賀支部の先輩、馬場選手や守田選手が見ても、心配するほどプロペラを叩く遠藤エミ選手が、節間ノーハンマーだったくらいの仕上がりでした。
予選はオール2連対の得点率10.00で堂々のトップ通過を果たします。
優勝戦のメンバーは
- 1号艇:遠藤エミ
- 2号艇:櫻本あゆみ
- 3号艇:高田ひかる
- 4号艇:山川美由紀
- 5号艇:渡邊優美
- 6号艇:西橋奈未
追い風5mというコンディションの中、遠藤エミ選手は0.10のトップスタートを決め先マイ、しかし2号艇櫻本選手も舟足が良く、追い風もあって差しが届きます。
2マーク直前で振り切り先頭でターンすると、そこからは独走で念願のレディースチャンピオンに輝きました。
優勝インタビューで、今までの苦労などを思い出し涙を浮かべて話をする遠藤エミ選手の姿を見て感動しました。
残るは、ボートレース界史上初の女子レーサーによるSG制覇です。
ボートレースの歴史が変わる!!史上初の女子レーサーSG初優勝!!

ついに遠藤エミ選手が前人未到の大偉業を成し遂げました。
絶対不可能とまで断言する人がいるくらい女子レーサーと男子レーサーの差は大きく、SGに出場することができる選手でも数名しかいません。
さらにその中で優出したのは70年の歴史の中でたったの3名。
今でもトップレーサーとして君臨する寺田千恵選手、現役時代は最強女子レーサーとして人気のあった横西奏恵選手、そして2022年の遠藤エミ選手です。
大村はG2初優勝、G1初優勝と思い出もあり相性も良い水面。
抽選で引いた68号機は2連対率34%、前々節にB1級の山本浩輔選手が優出した、上がり調子のエンジン。
初日1号艇の好枠から危なげなく逃げ切り、第2レースは4号艇から3着と舟券に絡む好成績発進。
2日目5コースから展開をついて捲り差して1着。
3日目は3コースから捲って1着。
4日目、大外6コースから道中で新田雄史選手と2着争いを見せますが惜しくも3着。
第2レースは予選トップ通過がかかる2コース戦でしっかり差して2着。
前日まで予選1位の秦英悟選手が3着以下で予選トップとなる結果待ちとなり、11レースで5コースの秦選手は3着となり、遠藤エミ選手は、見事予選トップ通過となります。
準優勝戦は、前付けがあり全艇オールスローという遠藤エミ選手にとっては嫌なスタートとなりましたが、0.07のトップスタートで押し切り、最終日の優勝戦1号艇を勝ち取ります!優勝戦当日。
いくつものタイトルを獲得してきた遠藤エミ選手ですが、前日の夜は、今までに感じたことがない感情が出てきて眠れなかったそうです。
優勝戦は
- 1号艇:遠藤エミ
- 2号艇:秦英悟
- 3号艇:毒島誠
- 4号艇:上条愓嵩
- 5号艇:中島孝平
- 6号艇:前田翔太
SG優出のメンバーは全員強力なライバルですが、さらにそれぞれの得意なコースに入ったともいえる枠順となりました。
スタートは全員が0台と踏み込んでいる中、遠藤エミ選手も0.07としっかりスタートを切ります。
秦選手の差し、毒島選手の捲り差しを抑えこみ、1マークを先マイすると、そのまま伸びてバックストレッチでトップを走ります。
落ち着きながらもしっかりと走り、トップを守りきって史上初の女子レーサーSG初優勝の栄冠に輝きます!
次は年末のグランプリ初出場が見えてきた遠藤エミ選手。
今後のレースでの活躍も楽しみです!
遠藤エミ選手の出身は滋賀ではなくブラジル!?

遠藤エミ選手は滋賀出身と思われていますが、実は「ブラジル出身」です。
祖父母がブラジルへ移住されたようでブラジルで生まれ、日本に来たのは3歳の時。
ボートレーサーの後輩でも知らない人が多いそうです。
ブラジルで生まれただけで日本人ですが、レースを見ているとブラジル人の運動神経の良さがあるのかな?って思ってしまうくらいですね。
学生時代からスポーツをして、現在は女子レーサーの中でトップクラスの成績を残す遠藤エミ選手は、好き嫌いや苦手な食べ物が多いというのも意外な点です。
まずネギと玉ねぎが嫌い、回転ずしの魚も嫌いらしく、その他エビはアレルギーがあるそうで、女子レーサー同志でロブスターを食べに行った時もエビを全然食べなかったそうです。
アレルギーがあるのに断ったり、他のものにする提案をせずに、一緒に食べに行くという遠藤エミ選手は周りの人に合わせることのできる心優しい方なのかもしれません。
遠藤エミ選手の持ち味は「スタート」と「ターン」
遠藤エミ選手の魅力は、なんといっても正確なスタートです。
特にスローでのスタートが早く、直近半年の平均スタートは
- 1コース:0.11
- 2コース:0.13
- 3コース:0.13
さらにST順においても、
- 1コース:1.84
- 2コース:2.90
- 3コース:2.00
と素晴らしい成績で、スローの遠藤エミ選手はトップスタートからの先マイができますので、1着での舟券予想が狙い目です。
コース別の特徴としては、
- 2コース:自在
- 3コース:捲り
- 4コース:自在
- 5コース:捲り
という実績で、奇数枠では捲り、偶数枠では自在戦の傾向ですので、みなさんも舟券予想の際には、参考にしてみてください。

- こうだ
- 競艇も好きだが、ボートレーサーも好き。
ボートレーサーを軸に考えて勝負することもあります。
そういう時は大体負けてしまうのですが。
よい子はマネしないでください。